王様とうさぎさん
「ほんとに嫌いな人間をうさぎなんて可愛いあだ名で呼ばないよ。

 最初はそう呼んでても、段々凶悪なあだ名になってくるって。
 
 あっ、ごめん。

 子どもが泣いてるから、じゃっ」

 おいっ。

 いろいろ反論があったが、切られてしまったので、仕方がない。

 泣く子と地頭には勝てないと言うしな。

 諦めて、さっきまで殴っていたクッションに頭を乗せ、ブランケットをかけて横になる。

 何か楽しいんだ、とまだ騒いでいるタレントたちに毒づきながら、テレビを見ていたが、そのうち、つられて笑っていた。

 そして、眠ってしまう。
 
 
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