王様とうさぎさん
「今日から健康のためにエレベーターを使わないように」
という張り紙がエレベーターに張ってあって、みんな困っていた。
顔見知りの社員に混ざって、ネズミやチェシャ猫も困っている。
何階だと思ってるんだ、と莉王は何度も、動かないエレベーターのボタンを連打する。
だが、横にある階段からは軽快に走る音が聞こえてきていた。
莫迦まじめに階段を駆け下りてくる姿が壁越しに見えた。
それは、スーツを着た巨大な白ウサギだった。
タイムを確認するように、何度も赤い懐中電灯を見ている。
懐中時計じゃないのか?
と思ったとき、目が覚めた。