画家の瞳は何をみる?
色白の綺麗な肌に心の奥まで見透かしたような、黒い瞳。
鼻筋の通った出来上がった顔立ちは、どこか冷たい印象を与える。
長身で、右手には黒いケースを持っていた。
男を見るなり、健は顔を綻ばせる。
「おおっ!新也!来たのか!」
「健が来いって電話で言ったんでしょ。僕は行くつもりなかったんだけど」
そう言うと男はパイプ椅子を引っ張りだし、黒のケースから筆、クロッキー帳、絵の具を取り出して絵を描き始めた。
武本新也(たけもとしんや)。
世界的に彼の名前を知らない人物はいない、と言われるほどの天才的有名画家だ。
そんな彼がなぜこんなゴミ箱捜査室にいるのか、というとそれは彼の驚異的な推理力と頭の回転の速さにある。
画家にはもったいないくらいのその推理力で、捜査室に捨てられた難事件を次々と解決してきた。