天国から君へ〜大好き〜

俺が放心状態でいると、瑠音の父さんが病室に入ってきた。
『ああ、瑠音のお父さん。どうされたんーーー・・・。』
『なんで、瑠音はこいつをかばったんだ。』
『・・・え?』
『なんでお前なんかが生きてるんだ。』
瑠音の父さんの手が、俺の首をつかんだ。
『瑠音がお前に、何をしたっていうんだ!!!』
涙でぐしょぐしょの顔が、目に映って。
俺は、やっと気が付いた。
瑠音は、俺が殺したんだって。
俺のバカみたいな嘘のせいで。
その瞬間、もうれつな恐怖が体におそいかかった。
『ごめんなさい、ごめん、なさい、ごめんなさーーー・・・。』
『謝ったって、瑠音はかえってこないんだよ!!!』
このまま、殺されてよかったのに。
なぜか、瑠音の母さんが止めに入ってきて、俺は死ぬことはなかった。
いいや、死ねなかったんだ。
それから、瑠音の心友だった月影がやってきて。
顔を、思いっきり殴られた。
『・・・サイッテー!!!』
ひどい痛みが、頬に走る。
でも、それより俺を痛めつけたのは、月影の目だった。
涙があふれるひとみには、俺への憎しみしかなかった。
頭が、ぼんやりして。
俺はそのまま、意識を失ったのだった。



「う、う、う、あ・・・・。」
涙が、後から後からこぼれおちる。
俺は、なんで生きてるんだろう。
瑠音の父さんの言うとおり、なんで俺が生きて、瑠音が死んでるんだろう。
俺なんかに、生きる価値なんてないのに。
その時、俺の頭に、名案が浮かんだ。
「あ、そうだ。死んじゃえば、いいんだ。」
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