天国から君へ〜大好き〜

~蕾SAID~


甲高いクラクション。
誰かの悲鳴。
俺の・・・、叫び声。
小さな、小さな瑠音の言葉。
『だい、すき・・・。』


「っ!!」
はあ、はあ、はあ。
また、だ。
ふとんの中で大きく息をつく。
『松野 蕾』、現在不登校中の高校2年生。
俺は、自分の不注意で、彼女を殺してしまった。



あの時の事を、忘れたことはない。
『だ、誰か。誰か、来て・・・。」
血まみれの瑠音を抱きしめて、俺は枯れた声で叫んだ。
目の前で起こっていることが、信じられなかった。
うそだ。
うそだ。
うそだ。
『うそ、だ。』
息が、できない。
『あ、あ、あ。うああああああああ!!!」
俺は、そのまま狂ったように叫び続けて。
それを聞いた人が近づいてきたときには、気絶していたという。
俺も病院に運ばれたようで、目を開けると、真っ白な天井。
その時、俺は思ったんだ。
ああ、あれは怖い夢だったんだって。
でも、そんなはずなかった。
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