今夜、上司と恋します


「坂本さん」

「はい」

「あの、ノベルティのショッパーだけが届いてないんです」

「……え?」


嘘でしょ?
全てチェックした筈なのに。


どうしたっけ、私。
慌てて私は手帳を広げる。


そして、第一倉庫に置いていたのを思い出した。



……やっちゃった。
紐を通すの忘れてた。


長沢さんに頼もうと思って、言うの忘れてた。



もう既に残っているスタッフはいなくて、店長だけが心配そうに私の顔を窺う。


「あの、大丈夫ですか?」

「え?あ、うん。大丈夫!オープンには間に合わせるから!」

「よかったです!あのショッパー評判いいんですよ!明日頑張りましょうね」

「そうですね。頑張りましょう!」


明るい声でそう返すと、店長は満面の笑みを見せて「お先です」と言って店を後にした。



本当は私も明日の為に早めに帰って寝たかった。
残業早出続きで、正直疲れが蓄積していたからだ。



誰もいなくなってから、私はぼそっと呟いた。



「……仕方ない」



今日は徹夜になりそうだ。
数は1000個。
明日の集合時間は朝8時。
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