今夜、上司と恋します



私…全然、大丈夫じゃない。
こんなにも好きで、どうしようもなくて。


諦められないのに、ネックレスくれたりして、もうわけがわかんないよ。

佐久間さんは私を見てくれないのに。


冷たくしてくれた方がよかった。

こんな事なら、佐久間さんから別れを告げて貰えばよかった。



あの口から終わりだって言われた方が、きっと私は前に進めたんだ。
今になってそれに気付くだなんて、私はとことんバカだ。



「……っ、ふ、う…」



どれだけ泣いてたんだろう。


広瀬、折角最寄りに着いてたのに呼び戻しちゃって。
少しだけ冷静になってから、申し訳ない事をしたなと後悔した。


けど、一人でいたくなかったから。


それは私の我儘ではあるんだけど。

広瀬の優しさに浸けこんでるだけだってわかってる。


わかってても、頭ではわかってても。


……そう、頭では全てわかってる。



佐久間さんの事も、広瀬の事も。

理解はしてるんだ。



だけど、心が、行動が伴ってくれないんだ。



地べたに座り込んでいた私は、崩れ落ちた時に思いっ切り膝をついてしまったのか、少しだけ擦りむいていた。
立ち上がろうとして、体を起こした私に。



「坂本!?」



……今、一番会いたくない人が声をかけて来た。

< 195 / 245 >

この作品をシェア

pagetop