今夜、上司と恋します
「やっぱ、笑顔がいいよ。坂本は」
「……」
「どうする?俺、今日あった事聞いた方がいい?
それとも聞かないでおく?」
「……」
「知りたいけど、知りたくないとも思ってるよ。
坂本を悲しませてるのが、佐久間さんなんだって思ったら嫉妬するし」
「…広瀬」
「だけど、どうしても坂本の事は放っておけないんだよ。俺。
……バカだよな」
「……」
「坂本が泣くぐらいなら、俺が苦しんだ方がマシっていうか」
どうして、私はこの人をここまで苦しめているんだろう。
「あー。ごめん。なんか、責めてるっぽかったな。
違う、違う。今の間違い」
あははって笑う広瀬。
その、広瀬と絡ませていた手を私はそっと離す。
「っ!?」
広瀬は驚いた顔を見せた。
「広瀬。頼ってごめん」
「何言ってるんだよ。言ったろ、俺が好きでやってるって」
きっと、この人は私が甘えたらとことん受け入れてくれる。
それは絶対に広瀬にとって、いい事じゃない。
どっちかに好きな気持ちがあったら、それはただの苦痛でしかない。
私と佐久間さんの関係がそうだった様に。