今夜、上司と恋します
「俺、チャラ男だったのね」
「え。はあ」
突然何を言い出すんだ。
チャラ男?えっと、うんと、ゾッコンとか、どこ行った。
「女の子に真剣になる事なかったし、逆もだったんだよね。
そんな時に出逢った子に一目惚れしたんだけども、その子とはダメだったんだ。
未練がましくずっと引きずってた俺を、今の彼女が支えてくれた。
そんで、引きずってる俺でいいって心の底から言ってくれた子なの」
「そうだったんですか」
「俺ねー。今の彼女に喝入れられたんだよ。
つか、俺よりかなり男前なの。だけど、めっちゃ可愛いの。
俺、彼女がどっか行っちゃうんじゃないかって心配過ぎてさー」
「ええ?野々村さんもそんな事思うんですか?」
「思うよ。俺なんて、人一倍思ってるよ」
「なんか信じられないです」
「よく言われる。へへ。でも、彼女一番だから。俺」
いいなあ。野々村さん、彼女の話をしてる時とっても嬉しそう。
余程好きなんだな。
それが伝わって来る。
「野々村さん、一つ聞いてもいいですか?」
「ん?何々、いくらでも答えるよ」
「体の関係しかない相手を本気で好きになるっておかしいですかね」
「え?」
野々村さんは私の問いに、目を真ん丸にする。
うーんと腕を組み、何やら考え込む野々村さん。
それから、口を開こうとした時だった。
ガチャリと保管庫の扉が開く。
その扉の奥から姿を見せたのは、まさかの佐久間さんだった。