ドナリィンの恋
リムジンで向かった先は、世界の高級ブランドが集まるファッションモールだ。トニーは、麻貴をブティックに連れていくと、店内にある服を片っ端から試着させた。もともと背が高く運動好きな麻貴であったから、体の線は悪くない。出ているところは程よく出ていて、くびれるところもはっきりしている。トニーは、そんな麻貴のボディーラインを強調でき、しかも白い肌の色に映える扇情的な色のものを選んだ。そして、ヒール。ドレスの色とあわせた13センチヒール。下着もそろえた。もちろんトニーは下着のショップには同行しなかったが…。クリスチャン ディオール(Christian Dior)、クリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)、リズシャルメル(LISECHARME)。それらの買い物袋を抱えて、今度はヘアーメイクの店、ミッシェル・デルヴァン・パリス(MICHEL DERVYN PARIS)のマニラ店へ。聞きなれないブランドもあったが、すべてはフランス製でトニーに言わせれば、これらを選ぶのには意味があるとのこと。 本来の目的とは別に、彼は麻貴とのおしゃべりしながらの久しぶりのショッピングを、十分に楽しんでいた。
ミッシェル・デルヴァンのドレッシングルームから、すべての準備を整えた麻貴が現れた。ポーズをつける麻貴に、トニーは美しく成長した孫娘を愛でるかのごとく、うっとり見惚れていた。
「どうです?何とか言ってくださいよ!」
何とも云わないトニーに、心配になった麻貴が問いかけると、彼はようやく口を開けた。
「美しい。上出来だよ、ミス・マキ。でもこれからが本番だよ。よくお聞き…。」
トニーは麻貴をリムジンに誘い、ジョンの居る会社に向かう車中で作戦を授けた。
「えーっ、そんなことして本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫、絶対に乗ってくる。それにあいつは品のないことは言わんよ。」
「…わかりました。やってみます。」
会社の前に着き、リムジンから降りようとする麻貴にトニーが声をかける。
「何とも自信の無い目つきをしておるな。これを掛けなさい。」
トニーは、カルティエ(Cartier)のサングラスを麻貴に渡す。麻貴は、サングラスをかけ、一度大きく深呼吸すると、ビルに向かって歩き始める。
ミッシェル・デルヴァンのドレッシングルームから、すべての準備を整えた麻貴が現れた。ポーズをつける麻貴に、トニーは美しく成長した孫娘を愛でるかのごとく、うっとり見惚れていた。
「どうです?何とか言ってくださいよ!」
何とも云わないトニーに、心配になった麻貴が問いかけると、彼はようやく口を開けた。
「美しい。上出来だよ、ミス・マキ。でもこれからが本番だよ。よくお聞き…。」
トニーは麻貴をリムジンに誘い、ジョンの居る会社に向かう車中で作戦を授けた。
「えーっ、そんなことして本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫、絶対に乗ってくる。それにあいつは品のないことは言わんよ。」
「…わかりました。やってみます。」
会社の前に着き、リムジンから降りようとする麻貴にトニーが声をかける。
「何とも自信の無い目つきをしておるな。これを掛けなさい。」
トニーは、カルティエ(Cartier)のサングラスを麻貴に渡す。麻貴は、サングラスをかけ、一度大きく深呼吸すると、ビルに向かって歩き始める。