王子なカノジョと姫なカレ
怜が、心配? 誰を?
…私を?
「え。心配って…なんで?」
「なんで?って、お前なぁー…」
「いっ…いしゃいしゃい!」
口元を引き攣らせながら怜は私の両頬を思いっきり引っ張った。
それはもう、ギチギチと効果音がして今にも私の頬っぺたがちぎれそうな感じで。
とにかく…痛い、痛すぎる!
怜の手を叩くと、やっと開放される。
「教室行ってお前が居なかったから焦っただろーが」
「迷子ってこと? 私そんな子どもじゃないのに…」
首を傾げると怜はきれいな顔を歪めた。
「ほんっとうにお前って天然なんだか、バカなんだか分からないな」
「なっ…!天然でもバカでもないからっ」
「あーはいはい、クラス戻るぞ【王子】」
そうやって私はクール王子こと、怜に引きずられてクラスまで行った。