王子なカノジョと姫なカレ


「あ、ハル! お帰りー」

星加がクッキーを頬張りながら手を振ってくる。

「ただいま。あ、星加、口端にクズついてるよ」


星加が机に広げていたクッキーをちゃっかりつまみ食いしながら、指摘する。

すると彼女は慌てながら口周辺を細い指先で触りまくる。


しかし一向に取れそうな気配はない。


「そこじゃなくて――ここだよ」


手を伸ばして目的物をひょいと取ると、そのまま口に含む。


「は、ハル…」

口をぱくぱくして真っ赤になっている星加に、首を傾げる。

そしてしばらくの間があき…


クラス中に女子の声が響き渡った。



「きゃああーっ、王子ーっ」

「それはダメです王子~!」
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