俺様常務の甘い策略
きっと、腹に凄い痣が出来ているはずだ。

そんな事情を知らない沙羅が涼太の反応にムッとした。

「痛がり過ぎよ。私はそんな怪力じゃないわよ!」

「昨日、お前の婚約者からもキツイのを一発みぞおちにもらったんだよ。お前ら、お似合いだよ」

お似合いか。

涼太の言葉にちょっと嬉しくなる自分がいる。

そう。俺達は最強のコンビだ。誰にも負けない。

東京に向かう帰りの新幹線の中で、俺は涼太にもらった小説を読む。

沙羅は俺の隣で規則正しい寝息を立てながら寝ていた。

読む前から何となく予感はしていた。

この小説は、涼太と沙羅がモデルじゃないかって。

予感は的中。

小さい頃好きな女の子を苛めていた医師である主人公が、十年後にその女の子と再会。だが、その女の子はガンに侵されていて……。余命がわかってても、またその女の子を好きになっていく主人公。だが、彼は自分の想いは告げず、医師として彼女を看取る道を選ぶ。
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