**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜
「もしかして、彼氏さんとデートですか?」
「あ、いや!」
「そうなの!?」
たったその一言で
私の背中は凍りついた
店員さん…タイミング悪すぎだよ
「陽向ちゃん〜?」
桜ちゃんはまゆをひそめて
私の顔をのぞき込んできた
店員さんは空気が変わったのに気づいて
"やばい"というような表情をしている
「それはさすがに言っちゃだめかなって思って……ごめん」
言い訳しようと思ったけれど
とっさの言い訳ってろくなことにならないから
正直に謝ることにした
自分自身でも分かってるんだけどね…
好きな人の彼女のデート服を選ぶって
正直どうよ?って。
「ほんと信じらんない…」
怒らせたと思った
取り返しのつかないことをしたと思った
だけど______
「ぷっ…嘘だよ!青山くんのことはもう忘れたから!」
桜ちゃんは吹き出して
ケラケラと笑い始めた
どうやら私の反応を見ていたらしい
私の両方の頬を手のひらで挟んで
「ほら!そんな顔しないの!」
ニッコリと笑うと
「よし!次いくよ!」
桜ちゃんの魔法は
まだまだ終わらないらしい