**青空ドロップ**~君が落としたラブレター〜


それから買い物を済ませて

おすすめのファッション雑誌を教えてもらった

そして

ビルの5階のおしゃれなカフェで

桜ちゃんにスイーツをおごって

世間話やメイクの話を聞いたりした


桜ちゃんはなんでも知ってて

私が質問したことには全て答えてくれる

私も桜ちゃんを見習わなくちゃ…



「今日は楽しかったよ!ありがと!」


桜ちゃんは満面の笑みで笑う

ひやっとした時もあったけれど

楽しい時間はあっという間で。

ふと気づいて外を見たときは

空がオレンジがかっていた



「デート、楽しんでね」



本音なのか強がりなのか

それは分からないけど

笑ってるから、たぶん大丈夫なんだろう

せっかく桜ちゃんが選んでくれたんだもん

言われなくても、楽しまなきゃ



「今度話聞かせてよね!」

「もちろんっ」



そう笑って私達は帰路についた

ブルーの空はオレンジ色に変わって

しばらくするとブラックに変わる

時間とともに変わる空の色は様々で

まるで人の感情のように、

表情の様にどんどん変わってゆく



「明日も晴れるかな______」


私は

空に浮かぶ飛行機雲を眺めながら

ぽつりと呟いた

雨粒が頬を伝って流れるように

誰も聞いていない独り言を______


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