期間婚〜彼と私の微糖な関係〜

「そこの棚の1番上の引き出しを開けなさい。」


言われた通りに若社長は引き出しを開けたが、一瞬動きを止めた。

どうしたのだろう?不思議に思いながら様子を伺っていると

「婚姻届が入っているだろう?」

前社長の言葉に私も硬まった。


婚姻届?

フリじゃなくて?

用意周到すぎでしょ。

できるだけ、笑顔を崩さず若社長を見つめる。

私の視線に気づいたのか若社長はこちらを見ようともせずに引き出しから婚姻届を出した。

「すでに証人のところには私の名前とお前も世話になったあいつの名前が書いているだろう?」

若社長は証人の欄を確認しながら頷く。

「お父様、有難うございます。」

前社長に向かって深々と頭を下げる若社長につられて私も頭を下げたけど…


ちょっと待ってよ。

婚姻届とか本気すぎでしょ⁈

期間限定の婚約じゃないの?

それに名前書いちゃったら本当に結婚だよ?

しかも前社長が亡くなった時点で私、バツイチ決定じゃん?

人助けでバツイチはありえないじゃん?


頭ん中大パニック。


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