いつかウェディングベル
「はい、ご飯♪ た~んと食べてね♪」
ついさっきまで、このテーブルで愛し合っていたのに・・・
今しがたこのテーブルの上で二人は一つになってあれだけ燃え上がったのに。
そのテーブルで晩御飯を食べるなんて・・・
加奈子の乱れた顔が目に焼き付いてご飯が喉を通らない。
加奈子の甘える声が聞こえてくるようで体がゾクゾクする。
一度の行為じゃぜんぜん足りない!!
それに、ここにいると加奈子のあんな姿を思い出すならここでは絶対に加奈子を抱かない。
食事の度に加奈子を食べたくなってウズウズしてしまう。
たかだか食事一つでこんな興奮を毎回してたまるものか。
「ねえ、そんなに美味しくなかった? 眉間にしわ寄せてるわよ?」
その原因を作ったのはお前だろう!と、言いたくなるが、そんなことをして加奈子を怒らせたら一生相手して貰えない気がするから言うのはよそう。
「美味しいよ。流石、加奈子の料理は美味い。世界一だよな。」
「それ、増田さんが作ったのよ。」
「でも、ほら。これ! この漬物はこの前増田に習いながら加奈子が漬けてたよな。これ、美味いんだよな。」
「私が漬けたのはこの前に透とお義父さんとで全部食べたじゃない。それ市販品だよ。」
「・・・・・」
どうやら今日は黙っていた方が良さそうだ。
何となく気まずい雰囲気が漂っている様に感じるのはやはり俺の気のせいだろうか?
加奈子を怒らせていないかハラハラしながら上目遣いで加奈子を見た。
すると、何故か、怒るどころかニコニコと嬉しそうな顔をして俺を見ていた。
薄気味悪いくらいに加奈子は微笑んでいた。
「何かいいことでもあった?」
「だって、透ったらあんなに激しいのって久しぶりだったから。」
人が食事している時にそんな理性を保てない様な会話はよしてくれ。
加奈子はわざと俺を誘うつもりでいるのか?と、思いたくなるけれど、今は食事中の俺を相手にそんな考えはないのだろう。
そう思うと加奈子の会話は質が悪い。