いつかウェディングベル

「そんなに俺の過去を知りたい?」


すると加奈子は頭を抱え込んで考えていた。悩む加奈子を見ていると、俺の過去が知りたいわけでも無さそうだ。


「知りたいって言うか、私って透の何を知ってるのかな?って思ったの。」



それから加奈子はボソボソと独り言のように話始めた。



さっきの高校生のような姿をした俺を想像することはできないと。

俺達が出会った時は二人は既に成人していた。加奈子はまだ学生だったが俺は既に社会人で出会って恋に落ちるまで時間は殆どかからなかった。

そして、二人の心が通じるとその後も早かった。

俺も加奈子も会えるのは夜か週末くらいなものだった。だから、会えば俺は加奈子を求めた。


俺の欲求を満たす為に加奈子を利用したかのように抱いてきた。


一緒にどこかへ出かけることをしただろうか?


一緒に何かをしたことがあったのだろうか?


加奈子もそう感じていた。だから、俺の高校時代の想像もつかないし、何を好んでいたかも知らない。



「俺は加奈子を怒らせたら恐いと思ってるけど、キスしたら何でも許してくれるだろう?エッチすると俺のいいなりになるから好きだな。」


「それって、私をバカにしてるの?!」


「それだけ加奈子が可愛いんだよ。加奈子のためなら何でもしてやりたいし、加奈子のためなら命だって捨てられる。」



「そんなこと言わないで。透がいないなんて私は嫌よ!」


「加奈子を置いては死ねないよ。他の男に渡す気なんてないんだから。加奈子はおれのものだ。」


「うん。」



嬉しそうに微笑んでいる加奈子を見るのが俺の幸せだ。


俺達はお互いのことをよく知らなくてもお互いの気持ちを良く知っている。


とても愛しあっている。


それ以外のことは、一緒に暮らしながら少しずつ知り合えばいいんだから。


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