いつかウェディングベル

俺は加奈子からの連絡が入るまで専務室で待機していたが、待っていても一向に何の連絡もなかった。


待つことあれから2時間。流石の俺もかなり苛立ち始めた。


時計を確認しても加奈子からの連絡はない。俺は携帯電話を取り出し加奈子へ連絡を入れることにした。


もしかしたら、会場の方で何か問題があったのかもしれないと俺は心配になっていた。


俺がどれだけ加奈子を気にしているのか分かっているのだろうか。


携帯電話へ連絡してもこれまた何の変化もなし。呼び出し音が延々と鳴り響いているだけだ。


俺はまさかと思いながらお別れ会の会場になっている居酒屋へと急いだ。



会社のすぐ近くの居酒屋だ。


車で行くより走った方が早い。駐車場の心配も要らないし。


俺はとにかく早く加奈子に「お疲れさま」と言いたくて走っていた。



なのに、居酒屋へ行くとそこは既に宴会場となって盛り上がっていた。



「・・・・・」



今日でお別れともあってか、部長も課長もかなり上機嫌で酒に飲まれていた。


加奈子はどこにいるのかとあたりを見回したが加奈子の姿はない。


江崎も岩下もいる。蟹江と坂田の姿もある。


しかし、加奈子と吉富の姿がどこにも見当たらない。


まさか、加奈子を酔わせて乱暴を働こうなんて考えていないよな?


吉富、それは犯罪だ。絶対にそんな気を起こすな。


加奈子には俺がいるんだ。



だから、加奈子、無事でいてくれ!



「おい、江崎! 吉富はどこ行った?!」


「あー 専務遅いっすよ! もう、みんなで楽しく飲んでますからね♪」



素面の様でかなり酒が入っていた。


こんな連中に何を聞いてもまともな返事は帰ってこないだろう。


俺は慌てて宴会場から廊下へと出て加奈子の姿を探した。

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