いつかウェディングベル
「これまで彼女に苦労させた分、これから幸せにすればいいだろう。」
「分かってはいるけど、俺は、」
「お前がいなかったから彼女を苦しめた。お前がいなかったから彼女は悲しんだ。だけど、今はお前がいる。」
確かにそうだ。俺の存在が加奈子の幸せのバロメーターになるんだ。
「これからは死ぬまで添い遂げるんだろう?だったら、彼女は最期まで幸せでいられるじゃないか。」
そうだよな、俺がいなかったから加奈子は苦労したんだ。
だけど、今は俺がいるから加奈子は幸せになれるんだ。
俺が加奈子のそばにいなきゃ加奈子は幸せにはなれないんだ。
「俺、加奈子を迎えに行く。」
「芳樹の面倒は任せておきなさい。たまには二人だけでのんびりしてくるといい。」
「サンキュー、親父!」
俺はこんなところで嘆いてもどうすることもできない。
それよりは、加奈子のそばにいて少しでも二人の時間を過ごした方がいい。
だから、俺はまた走った。
加奈子がいる居酒屋へと走った。
すると、加奈子ら販促課のみんなの姿が店先に見えた。きっと、お開きになったんだ。
「加奈子!」
俺は加奈子に駆け寄ると加奈子を思いっきり抱きしめた。
「おかえり!」
「ただいま。」
加奈子の笑顔は俺の心を幸せの絶頂へと導いてくれる。
俺はどうすれば俺と同じように加奈子を幸せの絶頂へと導びけるのだろうか。
「加奈子、遅くなってごめん。」
見つめる加奈子の瞳は俺を写し出している。
幸せな顔をする俺が加奈子には見えている。
俺も加奈子のそんな顔を見ていたい。
だから、加奈子の頬にキスすると抱き上げて加奈子の唇にキスした。
加奈子は驚いたようだが俺の首に抱きついてキスに応えてくれた。