いつかウェディングベル
その日、加奈子らが所属するチームは解散となった。
課長と坂田は新たな加奈子のウェディング会社の社員として働くことになり、身分は我が社JQ(株)から離れることになる。
他の社員は他の部署へと配属された。
加奈子ら新会社の事務所には取りあえず我が社の社屋で使われていない部屋を提供することにした。
我が社の保育所のあるスペースの隣だ。そこが今度から加奈子の仕事場となる。
今日はその事務所オープンの為にお祝いに駆けつけた。
勿論、俺は加奈子の夫でありウェディング会社の株主でもある。当然の如く俺の席もあるはずだ。
どんな事務所になっているのか楽しみながら加奈子の会社へと向かった。
俺が向かったのは確かに保育施設隣にあるウェディング会社だ。
隣には保育施設がある。だから、子ども達の笑い声や泣き声が聞こえてくる。
その隣の部屋のドアを俺は開けたはずだ。
なのに、そこの風景はいったい何なのだ?!と 俺はかなり目を丸くしてその光景を疑った。
「吉富!! お前がなんでここにいる?!」
「いらっしゃいませ。何かご用ですか? JQ(株)の専務様。」
この男はどこまで加奈子に付きまとえばいいのか?
昨日、加奈子のことは諦めると話していたじゃないのか?
「これはJQ(株)の専務、いらっしゃい。何かご用ですか? こちらはウェディング会社ですが。専務には別の結婚のご予定でも?」
何故、江崎までここにいる?
「お前達、何故、ここにいる?! 仕事はどうしたんだ? 今日から新しい部署に配属になったはずだろう?!」
「はい、社長にお願いして私達もウェディング会社設立のお手伝いをすることになりました。」
どうやら吉富ら販促課の連中は出向扱いで加奈子の会社の人手不足の間だけ仕事を手伝うことにしたらしい。