いつかウェディングベル

まるで小さな子どもが母親に抱きしめられているかのように俺は加奈子に抱きしめられていた。


加奈子の心臓の音がトクトクと聞こえてくると、それだけで安心してしまう。


加奈子が俺のそばに居てくれていると安心できる。





「ねえ、透にお願いがあるの。」


「なんだい?」



久しぶりに加奈子におねだりされているようで俺は嬉しくなって心臓が飛び出しそうになった。


抱きしめられる加奈子の腕を離し加奈子の顔を見つめると、その表情は頬を赤く染めてとても魅力的な加奈子だった。


どんなお願いなのかと俺の心はドキドキしてまるで高校生の男の子の様だ。


好きな女のお願いなんて久しぶりだと興奮さえしてしまう。



「それで? 俺は何をしたらいい?」


「私のドレスを透に選んで欲しいの。」



俺はやっと自分の出番がやってきたのだと嬉しくなって声をあげて加奈子を抱き上げた。



「待ってたんだ! 加奈子のドレス選びを!」


「ちょっと・・・透? 目が回っちゃうわよ!」



思いっきり加奈子を抱きかかえ振り回してやった。


以前の病院で揚げた挙式では簡素化目的であまり豪華な衣装は選ばなかった。


それに、あれは入籍した当時の形式的なもの。


今回はたくさんの招待客の中でのお披露目だから加奈子のドレスにも力が入る。


加奈子の魅力を生かしたドレスを着せたい。


そして、皆に加奈子がどんなに素敵な女性かを見せつけたい。


俺は最高に素敵な女性を妻に出来たのだと。





「透!!」


「ごめん、ごめん。あんまり嬉しくて興奮してしまったよ。」


「そんな調子でドレスを選べるの?」


「大丈夫、俺に任せておけ。それで、ドレス選びは何時行くんだい?」


「数日中に出来るかしら?」


「大丈夫、嵐が来ようが雷が鳴ろうが絶対にドレス選びを優先させる!」



明日にでも加奈子と出かけたい。


そして加奈子の綺麗なウェディングドレス姿をこの目で見たい。



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