いつかウェディングベル

早速、俺は翌日に時間を空けて加奈子と二人でウェディングドレスの衣裳合わせへと出かけた。


新会社ではウェディングドレスは制作もすれば貸衣装も手掛ける。


今回の俺達の結婚式は急な予定を組んでしまったことでドレスの制作は間に合わず貸衣装を利用させてもらうことにした。


新会社との取り引きが成立した貸衣装店へ加奈子と二人で出かけた。


これから加奈子の会社で結婚式を挙げる恋人たちはこのお店で衣裳を借りることになる。


金銭的に余裕があればオリジナルのドレスを作ることも出来る。


もし、時間に余裕があれば俺も加奈子にはドレスを作ってやりたかった。


けれど、貸衣装店へと行くと流石に加奈子と蟹江が厳選した貸衣装店だけあってドレスの質は高く、洗練されたデザインのどれも欲しくなるようなものばかりが並んでいた。



「当社のデザイナーズコレクションは直接デザイナーの方と打ち合わせをしレンタルとは思わせない世界に一つしかないドレスを作るんです。」


「どれも素晴らしくて選ぶのに困るな。」


「奥様に一番お似合いなデザインを選ばれるのが良いですよ。たとえば、こんなのはどうかしら?」



加奈子の綺麗な肌を生かしたデザインだが、花嫁にしては少々胸が開きすぎている様にも感じる。


しつこいと感じるフリルなどは一切なくシンプルな直線美が加奈子のスタイルの良さを引き立てているが、これでは他の男達に加奈子の肌を見せるようなものだ。


俺以外の男にそこまで肌を露出させて見せる必要はない。



「もっと胸元を隠したデザインはありませんか?」


「ねえ、透、これ素敵だわ!」



加奈子が見ていたのは、さっきのドレスより更に胸元の開いたドレスだ。


体のラインが見事に出てしまう様な、まるでスタイルの良いモデルが着ていそうなドレスだ。



「ダメだ、そんなのは。もっと大人しい雰囲気のドレスが良い。」



絶対に露出の少ない体のラインを隠すようなドレスを選ぶぞ。


男達を惑わすような妖艶な加奈子など必要ないのだから。


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