いつかウェディングベル

結局は、俺は加奈子には勝てなかった。


貸衣装店のスタッフを一旦下げさせ、俺と加奈子の二人っきりになると、加奈子の誘惑作戦が始まった。


そんなのに負けるものかと俺も誘惑作戦で加奈子を意のままに動かそうかと思ったが残念な結果に終わった。


加奈子の魅力あるキスには勝てなかった。


まさか、あんなところであんな激しいキスをされるとは思わなかった。


ついそれで俺は負けてしまった・・・・





「加奈子、もっとキスしてくれるんだろう?」



その夜、風呂に入った俺は浮かれ気分で寝室へと戻った。


昼間の激しいキスに加奈子に負けたが、その続きを今夜してあげるね、と、言われれば期待するのも当然だろう。


なのに、期待いっぱいで加奈子へ話しかけながら寝室へ戻ってみたもののベッドの中は空っぽだ。



見事に加奈子に騙されてしまった。


ドレスの為に俺は加奈子に完全にキスで誤魔化されてしまったんだ。


男って単純な生き物なのだとつくづく自分が嫌になった。


しかし、吉富や江崎が如何にも悦びそうな、あの胸の開いたドレスに決めてやったのだから、夜は加奈子を俺の好きにしてもいいはずだ。


絶対に加奈子と昼間のキスの続きをしてやるのだと書斎へと向かった。



俺は加奈子の仕事を邪魔しようと勢い良く書斎のドアを開けた。


すると、疲れてしまったのかこの日もまた机で眠っている加奈子の姿があった。




「そんなに無茶しないでくれよ。」



俺は加奈子を抱きかかえ寝室へと運んだ。


加奈子を抱いてみて気になったが、以前に比べ少し軽くなったような感じがした。


新会社設立と俺達の結婚式で無理をしているように感じてしまった。

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