いつかウェディングベル
加奈子を寝室へ運ぶと俺は親父に今の加奈子の会社の状態を教えてもらおうと、親父達の寝室へと向かった。
お袋は既に眠っていたようだが、親父は本を読んでいたらしくまだ起きていた。
加奈子が無理をしていないか親父に事情を説明し今の状況を知りたいと話をした。
親父はお袋の眠りの邪魔をしたくないからと寝室を出た。
そして、書斎へと行くと加奈子がやりかけていた資料を手に取り目を通していた。
「加奈子さんは随分頑張っているよ。」
親父は資料を閉じると俺に渡そうとした。
けれど、加奈子は俺がウェディング会社へ口出すことを嫌っている。
だから、その資料を俺が見ることは出来ないはずだ。
「俺は見てはいけないものだろう?」
「そうだったな。」
親父は資料を机の上に置くと他の開いたままの冊子なども全て閉じて重ねていた。
机の上を片付けると親父は小さく溜息を吐いていた。
「もっと時間をかけてやれば良かったのにお前との結婚式を急ぎたかったんだろう。」
「俺は披露宴を早くする必要はあると思っていた。だけど、加奈子一人に全てを押し付けて結婚式を急がせようとは思っていない。」
「だから、販促課の元チームを応援に行かせたんだよ。少しでも加奈子さんの負担が減ればと思ってね。」
吉富も江崎もかなり加奈子の為に必死に手伝っているようだ。
だから加奈子は随分助かっているのだと分かるが、それは俺の役目ではないのだろうか?
俺は夫なのだから結婚式を手伝うのは当たり前だと思っているのに加奈子はそうじゃないのだろうか。
「加奈子さんにとって結婚式はビジネスなんだよ。例え自分らの結婚式であってもそれはもうビジネスになっているんだよ。」
だから、俺は部外者だから自分の結婚式でさえ除外されてしまうのか?
それも俺は納得がいかない。