いつかウェディングベル

皆からの盛大なお祝いにしっかり顔が緩んだ俺はシャワーを軽く浴びると寝室へと戻って行った。



「甘いものばかりで大変だったわね。口直しにこれどう?」



加奈子が用意してくれたのは俺の好きなウイスキーとおつまみのチョコだ。



「甘いものはダメなのにチョコは食べるのね。」


「ビターチョコだけね。加奈子はあんなに毎日ケーキを食べたら病気になるぞ。」


「まさか!私は食べないわよ。たまに食べる時はあるけど、殆ど芳樹と奈美のお友達のお家や近くの施設におすそ分けしているのよ。」



加奈子の話では、以前慈善団体のパーティへ出席した時に、そこで知り合ったある施設の施設長と意気投合しそれ以来の友達関係を築いているそうだ。


その関係で加奈子らが作ったケーキを時々差し入れに持って行っているそうだ。



結婚式の次は慈善団体か?


加奈子は大人しく家で妻家業をするような女ではなさそうだ。


今の加奈子はアドバイザーの立場で直接業務には関わっていないが、それでも、ちょくちょく暇だからと顔を出している様子だ。


子ども達の遊び相手はやっているようだけど暇さえあれば何かをやろうとしている。


どうやら加奈子を家に縛りつけようと思うなら子どもを何人も産ませる必要があるようだ。



「明日は得意先の会社の新社長就任パーティがあるんだが、加奈子は体調はどうだ? 一緒に行けそうか?」


「私なら大丈夫よ。ただ、」


「ただ?」


「このお腹でしょ? 着ていくドレスがないの。」


「なら加奈子に似合うドレスを新調しよう。」


「一緒に買いに行ってくれる?」


「そうだな・・・何とか時間を調整しよう。」



俺にドレスを選んで欲しいと甘える加奈子は可愛すぎる。


そんな加奈子の為に何でもしてやりたくなる。これだから恐妻家だとか愛妻家だとか色々言われるのだろう。


恐妻家なんて噂を加奈子が耳にしたら驚くだろうな。


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