みんなの冷蔵庫(仮)1
「あの、佐田さん、ここに来て座りませんか?」


指先までぴしっと揃えて立つ佐田さんを見上げ、自分の横を指差して言うと、彼は眉をひそめ、少し困ったような顔をした。


「いえ、私はこのままで」


短くきっぱりと言われたが、私は隣の椅子を引いた。


「でも、見上げてたら首が痛いんです。どうしてもというなら私も立ちますが」


佐田さんは表情は変えなかったが、一瞬、瞳だけたじろぎ、一呼吸置いて小さな咳ばらいをした。


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