みんなの冷蔵庫(仮)1
佐田さんは優しい笑顔を残し、またシートベルトを締めた。

ゆっくりと車が発進する。
ハンドバックを開けてハンカチを仕舞い、自分の手の平を見つめた。


光は出るのに、なぜ消す――いや、冷蔵庫に入れる事ができなかったのだろう。


そして京極の顔が浮かぶ。

冷蔵庫を開ける事ができるようになったとして。

京極を冷蔵庫の中に入れるなんて……

人に向けて光を出す事は、安全なのだろうか。
京極のお父さんが無事かどうかもわかってない状況で、京極を冷蔵庫の中に入れていいのか。

誘拐犯は自分も光を浴びて冷蔵庫の中に入ったのなら、あの光は安心だという証拠かもしれない。


< 205 / 491 >

この作品をシェア

pagetop