みんなの冷蔵庫(仮)1
佐田さんの左頬を狙って突いた拳を上体だけの動きでかわし、空を切った手首を掴んでその懐に素早く潜り込み、一本背負いの要領で放り投げる。
呆気に取られて見ていると、もう一人の男が佐田さんにつかみ掛かる。
つかみ合ったままの男を閉まった店のシャッターに押し付ける佐田さんと目が合い、佐田さんが頷くと同時に私は夢中で走り出す。
夢の中で走るみたいに思うように足が動かず、なかなか進めない。
でも、すぐにその明かりが届く範囲に着き、振り返る。
ほんの二百メートル程離れただけなのに、明るいこちらからは降り続く雨の雫が線みたいに見えるだけで、他は何も見えない。
私は急に怖くなり、ガタガタ震えだした。
警察に電話しなきゃとか、誰か呼ばなきゃ、という考えが、この時は浮かばなかった。
佐田さん、お願い、早く来て。
私はほんの数メートル先のコンビニに入る事も、さっきの場所に戻る事もできずに、両手を祈るように組み、ただ立って雨に打たれ続けた。
呆気に取られて見ていると、もう一人の男が佐田さんにつかみ掛かる。
つかみ合ったままの男を閉まった店のシャッターに押し付ける佐田さんと目が合い、佐田さんが頷くと同時に私は夢中で走り出す。
夢の中で走るみたいに思うように足が動かず、なかなか進めない。
でも、すぐにその明かりが届く範囲に着き、振り返る。
ほんの二百メートル程離れただけなのに、明るいこちらからは降り続く雨の雫が線みたいに見えるだけで、他は何も見えない。
私は急に怖くなり、ガタガタ震えだした。
警察に電話しなきゃとか、誰か呼ばなきゃ、という考えが、この時は浮かばなかった。
佐田さん、お願い、早く来て。
私はほんの数メートル先のコンビニに入る事も、さっきの場所に戻る事もできずに、両手を祈るように組み、ただ立って雨に打たれ続けた。