みんなの冷蔵庫(仮)1
「シグマは僕に金で買われた」


いきなり、スーツ男が生姜湯をすすりながら言った。

てか、それあんたが飲むんだ。


「買われた?」


やっとシグマを開放し、スーツ男を正面から見る。

長い足を悠々と組み替え、また、カップに口をつける。
とても絵になる。

飲んでるのは生姜湯なんだけど。


「つまり愛人だ」


「ええっ?!」


興奮して思わず立ち上がろうとして、柔らかい素材の天井に頭を打ちつけ、腰を下ろす。

愛人て?!


「嘘だ。くらら、君は学習せんな」


「なにぃ?! ちょっと! やっぱり降ろしてよ!」


いちいち腹が立つ男!

私は今更ながら、車に乗った事を後悔し始めていた。



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