みんなの冷蔵庫(仮)1
「くららちゃん……」


シグマがこれ以上はないってくらい目を見開いて、ガタガタ激しい音を立てながら椅子から立ち上がった。


「あっ……うそっ……」


私は湯呑みを持ったままの形をした手をもう一度見る。

そこには

やっぱり


ない


湯呑みはない


「きゃ――――!! シグマ!! シグマ!!」


椅子にお尻が吸い付いたみたいに立ち上がる事もできず、足をバタバタと踏み鳴らし、手ぶらになった両手で顔を覆った。



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