みんなの冷蔵庫(仮)1
「ここまで来たら不法侵入じゃないか」


そう言って、なんだか弱く笑う。

ああ、やっぱり疲れてるのかな、と抜けるように白い肌に浮かぶ疲労の色を見てしまう。

もともと細い、小さな顔だったけど、急にやつれたようにさえ感じた。


「そうじゃなくて、玄関……門前に来たりしないの?」

「門前数十メートルは私道だから近寄るなと言ってある。そのさらに数メートル先にならいるのかもしれないが、門を出る時は車に乗ってるから関係ない」


マスコミに囲まれるなんて経験、当たり前だけど一度もない私は、なんだか京極が可哀相に思えてきた。

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