みんなの冷蔵庫(仮)1
「それとこれもまた本人気付いてないんだろうけど、結構年上の女とばかり付き合ってるしね」


年上の女性ばかり……
母性を求めてるってことだろうか?

なんだか急に京極に対して切ない気持ちでいっぱいになった。


「今回の件、院生の研究にまで研究費くれて、大学としては嬉しいみたいだけど……」


謙信先生は立ち上がり、大きく伸びをして、また首を回した。

研究費って聞いた事もない単語だから分からないけど……きっと凄い額なんだろうな、と思うと、住む世界の違いを感じる。
私は時給900円のバイトをしてるのに。


「こんな風に隠す事で、かえって京極が追い詰められてる気がするな」


謙信先生は私に近寄ると、両肩を優しく掴んだ。


「京極に――」

「僕に何だ?」


その時、謙信先生が言いかけた言葉を飲み込むように、頭上から声がした。


< 451 / 491 >

この作品をシェア

pagetop