みんなの冷蔵庫(仮)1
「野崎ちよみ。君は、くららと二人で夕食の支度でもしてくれ。シグマは休んでろ。練習はまた明日だ」


そう言って片手で野崎さんの背中を私の方に軽く押し、もう片方の手でシグマの頭を撫でた。


「俺大丈夫だよ」


京極は不服そうに見上げてくるシグマを、なだめるように背中をとんとんと叩き、首を横に振る。


「冷蔵庫はまた明日。くらら、その女が何かしたらすぐに警報ボタンを押せ。逃げた時もだ」

「う、うん」


何だか動揺してしまい、しどろもどろに返事をして、野崎さんを見た。

丸顔で、くるんとした睫毛に囲まれた大きな瞳の、お人形さんみたいな顔の人。


「私料理作れないよ。あんたがやって」


――喋らなければ。
喋らなければ、お人形さんだ。


「じゃ俺も手伝う」


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