みんなの冷蔵庫(仮)1
ほんの少し離れただけなのに、部屋に戻ると微妙な雰囲気になっていた。

不穏な空気というか、二人の間に火花が見えるというか。

私とシグマが見えていないかのように二人は会話を続けるので、邪魔しないようそっと椅子を引き、席に着いた。


「そもそも、スパイになったきっかけなり、原因なりを話してもらおうか」


京極が明らかに敵意をむき出しにした口調で言う。


「トキちゃんがそうしてって言ったから」


野崎さんはカレーを食べる手を休めずに、京極の方を見もせずに答える。

京極はそんな野崎さんを、まるで獲物でも狙うみたいにじっと見る。


「僕や佐田に迫ったのも?」


少しでも何かを見逃さないように、野崎さんの全てに集中しているように見えた。


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