みんなの冷蔵庫(仮)1
「女心は複雑なんだな」


京極はため息混じりに言った。

京極は何も野崎さんを泣かせたくてやった訳じゃない。

分かるけど……分かってるけど、あんな悲しそうな顔を見たら、切ない。

今の私と重なる。

このままだと京極に噛み付いてしまいそうだったので、話題を変える事にした。


「これだけすぐにいろいろ調べられるんだから、シグマのお父さんの事もすぐに分かるんじゃないの?」


シグマが私の話をしにくかったくらいだから、おばさんはずっと気にしていたんじゃないかと思う。

きっとシグマだって。


「失踪した日に遡って足跡を辿らなくてはいけないから、多少時間はかかるだろうけど、きっと見つけられるだろうな」


京極は伏し目がちに言った。


「じゃ、どうして捜さないの?」


当然のように沸き上がる疑問を口にする。


「頼まれてない」


京極がイラついた口調で返した。


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