みんなの冷蔵庫(仮)1
そこだけで、私の住んでるワンルームよりも広そうな大理石のエントランス。

向かい合って言い合う私達の間に立ち、両方の顔を交互に見上げるシグマ。


「ぺんぺん?」


「何がぺんぺんだ?」


二人共時が止まったみたいに、シグマの罠にかかってしまった。

シグマはリズムを刻むみたいに人差し指を揺らした。


「若様とか言いにくいし、あだ名、ぺんぺんは?」


ウッキウキのシグマとは対照的に、ぺんぺん(仮)は、みるみる苦虫を噛み潰したような顔になる。

私は一気に毒を抜かれ、自然と笑顔が出た。


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