真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜

浴衣なんて着たことがないから、着方さえわからない。

遠慮した私に「大丈夫、着せてあげるから安心しなさい」と…。


淡い水色の浴衣。

幼い頃にも着たことがないのに30手前で着ることになるなんて、夢にも思わなかった。


亜星のお母さんは、私を本当に亜星の恋人と思っているから、優しく接してくれる。

幼い頃に母親は私と父をおいて出て行った。


そのせいで、自分の親世代の女性との関わり方が分からなくて、避けていた…。



帯を締めてくれた亜星のお母さんが「やっぱり、柑奈さんみたいに綺麗な人にはよく合う色だわ…

実は私は着れなかったのよ」と、何かを思いだしながら頬笑む。


「お母さんが袖を通していないものを、私が着ちゃって良かったんでしょうか?」

戸惑う私を見上げてふんわり笑う。

「いいのよ」


何もかも包み込むような笑顔。

お母さんってこんな感じなのかな…?


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