野獣の誘惑
「菫の匂いは甘い。」



私の首をぱくりと食べる



ビクッと体を震わす私を気に留める事無く 首筋を舐め上げた



「より甘くなっていく。」



ソファーに片足を乗せ 私に覆いかぶさるように近付き 両手で私の顔を包み込んだ



色気を放った彼を見上げれば 次何が起こるかなんてわかりきっている



近過ぎる距離と甘い雰囲気に流され 期待する自分が居る



少し触れただけで電気が走る



彼も感じたのか 一瞬動きを止め目を開いた
でも 次の瞬間には深いキスをする



キスだけなのに体が疼き溶かされそうになる
このままし続けると溶けてなくなってしまいそうだ



「・・・菫。」



息継ぎの合間に 愛おしそうに呼んでくれる名前


昨日 会ったばっかりなのに 何でこんなにも惹かれるんだろう



何度も唇を合わせ 離れたくないとお互いが感じていた



キスを夢中になり過ぎて時間を忘れていた



机の上に置いてあった彼の携帯のバイブが鳴った



それで目が覚めた私達


お互いが見つめ合って止まった状態だ







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