ワンコorオオカミですか!?
そうだった。
あの猫には感謝してもしきれない。
あの夜に現れてから、俺達の関係に動きが出た。
ルームシェアと偽って美冬を俺の家へ強制的に同棲することまで漕ぎ着けた。
まだ油断はできないが、美冬は年上の癖に俺に何でもしてもらっている自分に我慢が出来ないみたいなので、早急に引っ越させねばならないけれど。
でもあの時の猫のお陰。
ソレが大きく運命を変化させたんだ。
「犬飼」
美国部長は少し考えてから俺に話しかけてきた。
まだ一ページも進んでいないレイアウトのページのまま俺は美国部長の方を見る。
「楽で金額が高い依頼と、厄介で金額も安い依頼なら、馬鹿じゃない俺とお前は楽な依頼を受けるよな」
「普通の人なら当然かと」
「でもあの女は、楽しそうな方を選びそうだと思わないか」
確かに。
今回の猫カフェの依頼だって、何回か色んなデザイナーに依頼したくせに納得いかないからとウチの会社まで回って来た依頼だった。
金額もこの会社へ依頼する割には安いし、誰も挙手しなかった。
この人だって最初は、クライアントが面倒だと察してか金額からか企画書に目も通していなかったと思う。
「そう思うと、苛々するがあの女を見る退屈しないな」