ワンコorオオカミですか!?
「へへ。俺が格好いいって話してませんでした? これ、お礼です」
「やだー! 全く話してなかったのに何それ!」
「そうそう。美国さんの事よ」
「嘘だろ、ちょっとは俺の話もしてよ」
犬みたいにブンブン尻尾を振っていた狼君は一瞬だけ私の方に視線を送るとすぐに自分の部署へ戻って行ってしまった。
「あはは。犬飼くんらしいね」
「わー、このプリン大好きなのよね」
「……じゃあ少しは狼も褒めておいた方がいいんじゃない?」
お菓子の中から、チョコを一つ摘まんで紺野さんがそう微笑むと二人がドッと笑いだす。
感情をくるくる変えて笑う二人は本当に可愛らしいと思う。
その時、ベストのポケットにいれていた携帯が震えだす。
画面をタッチすると、表示された名前は、たった今、お菓子を置いて行ってくれた狼君だった。
『ランチは諦めたけど、夜は独り占めしますからね、美冬を』