歪~ibitu~
千郷の案内で来たのは崖の上に建っている小さな祠と鳥居だった。
すごく綺麗なところだが、少し重苦しい雰囲気だ。
「千郷、ここは?」
「この海は、戦争の時に多くの人が死んでるの。
その死んだ人が、海に生きてる人を引きずりこむんだって、みんな不気味がってるんだ。
でも、こんな綺麗なところだもん!
怖がるだけじゃ、もったいないよ。」
「もしかして、今日教室で静まりかえったのは……。」
「多分、みんな海が怖いんだよ。」
そこまで言うと、千郷は鳥居の中へ足を踏み出した。
祠の後ろは断崖絶壁。
ギリギリのところまで行った千郷は微笑む。
「ほら、海は人を引き摺りこんだりしないのにね………。」