タイムトラベラー・キス
未来の婚約者として、どうしても聞いておきたかったのだ。
なぜ、野々村くんは、女の子にいろいろと気を遣えるのかということを。


「まぁ、中学のときに何人かと付き合ったことはあるよ」


「な、何人も？」


「そんな多くねぇって、２～３人だよ。どれもすぐ終わったけど。でもなんでそんなこと聞くんだよ」


２～３人か……。私、野々村くんの過去の恋愛について全く知らなかった。
長く付き合っていても聞いたことがなかった。
どこかで、私が初めての彼女だと思っていたのかもしれない。


でも、そういえば先月も屋上で告白されていたし、野々村くんってモテているのかも。


中学の時の恋愛だし大した付き合いはしていないのかもしれないけど、私は心にダメージを受けていた。



「だって、野々村くん、車道側歩いてくれたり、レストランも奥の席を譲ってくれたりとか、何かと気を遣ってくれるからさ……女の子の扱いに慣れてるのかなって」


野々村くんはちょうどお水を飲んでいるタイミングで、私の発言を聞いて驚いたのか、急にむせ始めた。
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