殺戮都市~バベル~
「ウエポンブレイクだと?そんな事が出来るなら、どうしてもっと早く言わない!それを乱発すれば、今まで戦った敵にも余裕で勝てただろうに!」


「ちょっと、穏やかじゃないわね。そうよ、そんな事が出来るなら早く言いなさいよ!危うく武器を壊される所だったわ!」


そうか、大山田は神谷と戦ってたんだったな。


俺も恵梨香さんも神谷と戦ったし、その時に武器破壊をされてたら、今、こうしていないかもしれない。


そう考えるとゾッとするよ。


「ま、待て待て!言っただろ?力を集束させるようなイメージって。俺はそれが苦手でよ、一回も成功した事がねぇんだよ。集中するのに時間も掛かるし、普通にぶっ叩いてる方が楽なんだよな」


「つまり、出来るかどうかわからない事を、松田相手にぶっつけ本番でやろうとしてるのね。面白い話だね、それ」


ポケットからタバコを取り出して口にくわえると、すぐさま大山田が火を点ける。


可能性が低い事の連続だな。


でも、勝算がないよりはずっとマシか。


「よし、成功するか失敗するかは考えても仕方あるまい。準備が出来たら行くぞ。達也は今までの相手とは次元が違う。本気でやらねば……死ぬぞ!」


そう俺達に言った恵梨香さんは、まだ椅子に座っている俺達が立つのを待たずに、店のドアを開けた。
< 1,003 / 1,451 >

この作品をシェア

pagetop