殺戮都市~バベル~
「そうか、だったら良いけど。少年、俺達は南軍なんだ。敵に情が移ると、いざという時に戦えなくなるから気を付けろ」


俺の肩を叩いてそう言うと、黒井はオークションがあった交差点の方に歩いて行った。


初めて見た、ハイレア武器同士の本気の戦闘。


あんなのに巻き込まれたら、俺なんて10秒も生きてられないだろう。


それくらいレベルが違った。


「あーあ、恵梨香、お腹が破れちゃってるよ?ひゅー!セクシー!」


ライダースーツの前と後ろが破れて、白い肌が見えている。


死神……恵梨香さんっていう女の人なんだよなあ。


俺の制服を羽織っている女の子は直視出来ないけど、この程度なら見ても問題ないよな……。


「何をバカな事を。それならこの少女の方がずっとセクシーだぞ?制服の下は、下着も付けていないのだからな」


いや、そりゃあそうだけど……せっかく助けたのに、それを弄るのはどうかと思うな。


「ごめんねえ。恵梨香はさ、人を気遣う事が出来ないんだ。あ、でも、悪気があるわけじゃないから勘弁してね」


俺と女の子に、吹雪さんがペロッと舌を出して謝る。


うん……俺は、死神……恵梨香さんと二人でいたら、へこんで立ち直れない自信があるよ。
< 115 / 1,451 >

この作品をシェア

pagetop