殺戮都市~バベル~
「行ったな……さてと、どうする吹雪。私としては、黒井がいれば心強いと思うのだが」


「えー?確かにあの人強いけどさ、なんか自由そうじゃない?人の言う事聞かないと思うね、ああいうタイプは」


黒井も、吹雪さんに自由だとは言われたくないだろうな。


それにしても、吹雪さんが話してた目的って何だろう?


黒井がいれば……って考えるくらいだから、とんでもない敵と戦おうとでもしてるのかな。


「そうやって、好き嫌いが激しいから仲間が一向に集まらないんだ。少しは妥協を……」


「あ、あの……」


二人が話していて、話に割り込むのもどうかと思ったけど、目的とは何なのか、どうしても聞いておきたかった。


「何だ、少年」


「あの……二人の目的って何ですか?吹雪さんがそう言ってて、気になってたんですけど」


俺が尋ねると、死神は吹雪さんの方を向いて腕組みをしてみせた。


「全く……余計な事を話しおって。まあいい。私達の目的はあれだ」


その方向を見もせずに、死神は光の壁の先を指差した。


そこにあったのは……白い、巨大な塔。


見上げても一番上が霞んで見えない、宇宙まで伸びているのかと思うほどの建造物だった。
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