殺戮都市~バベル~
「な……なんだよあれ……マジで」


二毛の声が震える。


驚きと同時に、未知の物に出会った恐怖を感じている様子。


かく言う俺も……その圧倒的な存在感と不気味さに、唾を飲み込んだ。


なんだこれは。


爬虫類の手のようだけど……蛇のようなウロコに覆われて、鋭い爪まである。


街の光を反射して、てらてらと輝く表面。


まるで、龍の手のような……。








「!?ダメだ!それから離れろ!!そいつは……そいつはビショップだ!」






恵梨香さんの話を思い出した。


神谷と美優は、「龍の手のような物」に殺されたと。


頭の中で想像していた物と似たような物が、地面を突き破って目の前にそそり立っているのだから間違いない!


肉体硬化の神谷を容易に殺す事が出来るくらいだ、生半可な強さじゃどうにもなるはずがない!


「み、皆離れて!!そいつに近寄るんじゃないよ!」


俺の言葉に驚いて、雪子さんが声を上げるが、それよりも早くビショップの手が動いた。


グラリと、倒れるように地面に叩き付けられた腕。


そこにいた人間もポーンも、無差別に下敷きになって、血が、肉が辺りに飛び散った。
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