殺戮都市~バベル~
逃げる事を全く考えていない!


黒井は、目の前の敵を全力で殺そうとしている!


その強い想いが、正面からナイトと衝突するという行動繋がったのか。


腹部に突き刺さったランスが、さらに突き刺さる。


このまま身体を貫くか!?












……と、思われたが。










「なにっ!?くっ!動かない!」


ほんの10センチ。


ランスの尖端がナイトに突き刺さって、黒井は動きを止めた……いや、ナイトによって後方に押し戻されたのだ。


慌ててランスから手を放し、ナイトの身体を蹴って離脱する黒井。


でも、ナイトは黒井が空中にいても、そんな事はお構いなしに地面を滑り、向きを変えようとしていた。


これは……まずいんじゃないか!?


その動きに合わせて、俺も向きを変えてナイトに飛び込んだ。


まだ槍を構えられていない!


横滑りしている最中、日本刀を振り上げて接近した俺は、ナイトの左前足目掛けて日本刀を振り下ろした。


刃が……ナイトの前足を斬り裂く!


骨がポーンの比べ物にならないくらい硬くて、表面を撫でるような感触しかなかったけど、その攻撃でナイトの身体がビクッと震え、バランスを崩した。
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