今しかない、この瞬間を
「あかねちゃんには、好きな人いるのかな?」

「あぁ、うん。いるって言ってた。」

「そう。」

「でも、その人には好きな人がいるから、無理だって。だから、今は見守ってるだけでいいんだってさ。」

「ふ~ん、そうなんだ。」


って、なんで、そんなこと聞くんだ?

聞いといて、微妙に納得行かないって顔してるし、いきなりそんな質問するとか、意味わかんなくない?



「あ、じゃあさ、光汰はあかねちゃんのこと、どう思ってるの?」

「はぁぁぁ?」

「好きじゃないの?」

「ちょっと待てよ。何言ってんの?」

「何って、質問の通りよ。」

「あのさ、俺が好きなのは、朱美さんに決まってんじゃん!!」

「そうなの?」

「そうだろ?」

「そうか。うふふふふ........。」

「ねぇ、なんで笑うの?」

「なんでだろうね。」

「てかさ、他の女に気がある奴に抱かれるとか、嫌じゃないの?」

「そうね、そうかもね。でも、何となくそう思ったから。」

「マジ?」


ホント、訳わかんねーよ。

もしかして、俺をからかって弄んでるつもりなのかな。


だいたい、こういう時だけ大人の女ぶって、余裕を見せるのはズルいだろ。

ついさっきまで、あんなに乱れて、めちゃくちゃカワイイ声、出してたくせに。


質問の意図が、まったく見えて来ねーよ。

でも、こんなこと聞くってことは、ずっとそう思ってたとか?


パニくってる俺を見て楽しんでるかのように、朱美さんは意味深に微笑んでいる。

マジで急にこんな意地悪するなんて、どうしたんだ?

何か今日、変じゃね.......?
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