敏腕社長に拾われました。

「こら、逃げるな。で、どうする? 罰の執行、今からする?」

「罰の執行……」

やっぱり罰なんだ。

抱きしめられている体は、さっきから虎之助に愛してもらいって言っている。

ねえ智乃、本当にそれでいいの? 虎之助の気持ちもわからないのに、体を重ねてしまって後悔しない?

後悔する……よね。

だったら今ここで、玉砕覚悟で虎之助の気持ちを聞いたほうがいいんじゃない?

玉砕……。それはちょっと怖いけど、虎之助とは愛のないセックスだけはしたくない。

そう気持ちが固まると、虎之助に向き直る。

「ねえ、虎之助」

「うん?」

「虎之助は私のこと……どう思ってるの? 愛もないのに罰っていうだけで、私のことを抱くの?」

言っちゃった……。

虎之助の反応が怖い。怖くって、顔を見ていられない。

ギュッと固く目を瞑ると、虎之助の出す答えを待つ。

「智乃」

虎之助の声に、体がビクッと震える。

「目、開けろよ」

虎之助の大きな手が私の両頬を包み込むのを感じて、固く閉じていた目をゆっくりと開けた。



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